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現代では、色々な方法でお金を借りることが出来ますよね?
しかし審査に落ちたり、金利に納得がいかないなど、思ったように融資が受けられない方もいると思います。
そこで、今回はみなさんにとっておそらく意外である「年金手帳でお金を借りる方法」を紹介していきます。
手続き不要、年金からの直接返済。二つの年金担保ローンとは?
まず一つ、最初に理解していなければならないことがあります。
それは、「年金を担保にしたローンは、国が定めた特定機関でしか取り扱えない」ということです。
消費者金融の中には、年金を担保にしたローンを扱っている所があるかも知れませんが、それは完全に違法です。
俗に闇金と呼ばれるような場所ですので、絶対に近付かないようにしてください。
間違えないようにしたいのは、あくまで違法になるのは「年金を担保にする場合」のみだということです。
年金手帳を本人確認書類として使うことは問題ありませんので、その点は安心してください。
年金を担保にしたローンを組むことが出来る機関は、「WAM(独立行政法人医療機構)」と「日本政策金融公庫」の二つが該当します。
受給する年金の種類や、ローンの使途によって、どちらに申し込むかが変わります。
どちらのプランも、返済は年金の支給機関から直接行われるため、窓口やATMに行く手間は必要ありません。
年金担保ローンのメリットは、金利がかなり低く設定されている点です。
また、返済方法が「年金からの直接支払い」なので、他のローンと審査基準が異なる点も特徴です。
他のローンの審査に通らなかった方は、このローンを組むことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
デメリットは、申請の書類が多く、手続きが大変だということです。
そして、審査にかなり時間がかかるということ。最低でも三週間、遅ければ六週間かかるケースもあるようです。
すぐに資金が必要な方にとっては痛手となるでしょう。
医療費など日常生活のためのローン、年金担保融資とは?
WAMの「年金担保融資」は、医療費や介護費、生活必需品などの、一時的に少額の資金を必要とする場合のための融資です。
住宅の購入や事業資金、またはギャンブルなどのために使うことは出来ません。
主な融資条件は、以下になります。
年金担保融資(WAM)
※2016/11/14現在
利用条件 |
現時点でWAM指定の年金(厚生年金、国民年金、船員保険年金、労働者災害補償保険年金)の支給があること。 同一の年金で借り入れがないこと。 生活保護を受給していないこと。 |
融資限度額 |
10万円~200万円(用途が生活必需品の場合、最大80万円)。 ※年間に受給する年金の0.8倍以内。 ※1回あたりの返済額の15倍以内。 |
返済金額 |
契約者の指定した金額。 ※1万円~支給される年金の1/3以下。 |
金利 |
年金担保融資:1.9% 労災年金担保融資:1.2% |
可能な使途 |
保険・医療、介護・福祉、住宅改修、冠婚葬祭、生活必需品 |
注意すべき点は、連帯保証人が必要だという点、そして完済するまで追加の借り入れが出来ないという点です。
申請額が少な過ぎれば足りなくなりますし、多過ぎれば利息に圧迫されてしまいますので、返済計画は慎重に立てましょう。
また、自己破産しても年金担保の融資分は免責にならないことに注意しなければいけません。
年金を担保にするということはそれだけ経済状態がひっ迫している方も多いと思いますので、万一の自己破産後についても考えておくべきでしょう。
住宅・事業資金のためのローン、恩給・共済年金担保融資とは?
日本政策金融公庫の「恩給・共済年金担保融資」は、生活費に使うことも出来ますが、住宅や事業資金のための融資です。
借り入れ限度額は高く設定されるのがメリットですね。
WAMの年金担保融資とは違い、「恩給」や「共済年金」を担保に申請出来ることが特徴です。
主な融資条件は、以下になります。
恩給・共済年金担保融資(日本政策金融公庫)
※2016/11/14現在
利用条件 |
恩給 |
恩給や災害補填年金を受けていること。 |
共済・厚生年金 |
現時点で共済組合が支給する厚生年金の支給があること。 同一の年金で借り入れがないこと。 生活保護を受給していないこと。 |
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融資限度額 |
恩給 |
250万円。 ※年金の3年分以内。 |
共済・厚生年金 |
250万円(用途が生活費の場合、最大100万円)。 ※年金の2.2年分以内 ※平成25年1月より、平成34年1月まで、段階的に0.2年分ずつ引き下げを実施予定。 |
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返済金額 |
恩給 |
支給される金額の全額 |
共済・厚生年金 |
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金利 |
恩給 |
0.31% |
共済・厚生年金 |
1.81% |
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可能な使途 |
恩給 |
住宅資金、事業資金、生活費等 |
共済・厚生年金 |
こちらの最も注意すべき点は、支給される恩給・年金の全額が返済に充てられてしまうという点です。
言い換えれば返済が終わるまで恩給・年金は受け取れないことになります。
この点には十分に注意しておかなければいけません。
更に、追加の借り入れもできないため、前述の年金担保融資より、更に慎重に返済計画を立てておくことが必要です。
現在の借入状況から、借り換えによって最大いくらお得になるかを計算してみましょう。
※計算結果はあくまで目安です。計算は現在の借入残高で各商品の最低金利を適用した場合の年間の利息額から算出しています。