銀行とは何かをご存知の方は多いでしょうが、信用金庫・労働金庫についてはどうでしょうか。
普段、メガバンクと呼ばれる銀行しか利用したことがない人にとっては馴染みが薄いでしょう。
ここではこの意外と知らない2つの金融機関について深く学び、是非その存在意義やお得度についての情報を得ましょう!
銀行と信用金庫・労働金庫では何が同じで、何が違うの?
銀行と信用金庫・労働金庫は「預金や引き出し」「口座振込などの送金業務」「ローンなどの貸付」を行う金融機関という点ではどれも同じです。
一方で違う点は「⑴営利を目的としている組織かどうか」「⑵活動エリア」「⑶融資の対象者」の3つです。
以下で詳しく説明していきます。
⑴営利を目的としている組織かどうか
組織には大きく分けて非営利か営利かという違いがあり、信用金庫・労働金庫は前者です。銀行は後者であり、具体的に株主の利益を優先した営利活動を行なっています。
⑵活動エリア
活動エリアの違いとは、本支店が広範囲にあるかどうかを意味しています。
銀行の中でも特にメガバンクと呼ばれる銀行は全国に点在しているのに対し、信用金庫・労働金庫は地域ごとに組織の母体が違います。
例えば労働金庫は県単位で13のエリアに分けられています。
⑶融資の対象者
融資の対象者の違いとは、融資を受ける資格に厳格なルールがあるかどうかという意味です。
信用金庫・労働金庫は融資対象者が明確に限定されており(一部サービスを除く)、主に本支店がある地域に「居住・勤務・事業所を有している」といった条件を満たす必要があります。
また、信用金庫には「融資は資本金9億円以下または従業員300人以下の企業のみ」という信用金庫法で決められた規律が存在します。
一方、銀行にはそのような規律や地域限定といったものは基本的にありません。
これら3点の違いにより、信用金庫・労働金庫は銀行と違った存在意義や使命を持った活動を続けています。
ローンの金利はどれほど差がある?銀行と信用金庫と労働金庫の金利を比較します!
ここでは銀行・信用金庫・労働金庫の金利を比較してみましょう。
それぞれ三菱UFJ銀行・京都中央信用金庫・中央ろうきんの「教育ローン」「カーローン」「フリーローン」を例にとって見ていきます。
なお、ここでは信用金庫と労働金庫ともに会員のための最優遇金利を表示しています。
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教育ローン |
カーローン |
フリーローン |
三菱UFJ銀行 |
年3.975%(変動) |
年2.975%(変動) |
年5.475%(変動) |
京都中央信用金庫 |
年2.300%(変動)※1 |
年2.700%(変動)※1 |
年4.800%(変動) |
中央ろうきん |
年2.900%(変動) |
年2.400%(変動) |
年5.825%(変動) |
(2016年11月10日時点)
※1:同信用金庫の他商品の同時利用やカードローンの新規発行時の金利特典(-0.200%)を使用
大きな違いこそないものの、教育ローンとカーローンの金利は銀行よりも信用金庫・労働金庫が低いです。
特に教育ローンでは約1%の違いがでています。
「教育は地域の利益になる」という相互扶助に基づく理念が現れた結果と言えます。
ちなみに金利については銀行の中で三菱UFJ銀行が決して高いわけではありません。
このことを考えると、やはり信用金庫・労働金庫は非営利組織だからこそ実現できている低金利なのでしょう
初期出費がかかる?信用金庫・労働金庫の出資金とは?
ここまでみてきたように、信用金庫・労働金庫は営利を目的としない銀行とは異なったポジションをとっています。
そのため銀行のように株による資金集めを行なっておらず、代わりに運営資金として出資金を募っているところがほとんどです。
出資金とはいわゆる会費のようなもので、入会時に「1口50円で200口から」など1万円程度を最低ラインに設定しているところが多いようです。
これは基本的に預けたままとなり、組織の大切な運営資金になります。
多くの信用金庫・労働金庫ではこの出資金を払って初めて、特別金利などのお得なサービスが提供されます。
逆に言えば出資金を払うだけでこの特別金利の恩恵に与ることができるのです。
ケースによりますが、この出資金を差し引いても結果的に安く借入できることが多々あります。
大きな借入をする場合には1%の違いでもかなりの差がでてきます。
少しでもお得に借りるため、この機会にお住いの地域の信用金庫・労働金庫を探してみてはいかがでしょうか。
現在の借入状況から、借り換えによって最大いくらお得になるかを計算してみましょう。
※計算結果はあくまで目安です。計算は現在の借入残高で各商品の最低金利を適用した場合の年間の利息額から算出しています。