大学に入学後、学費や生活費、教材費などで大きな金銭的負担を強いられてしまいます。
そんな時に利用できるのが奨学金や教育ローンです。
一見して似ているように見える制度なのですがこの2つの制度は状況によって選択するべき制度が変わってきます。
この記事を読めば2つの区別をしっかりつけることができ、現在の自分の状況に合わせて利用していけるようになると思います。
そもそも奨学金と教育ローンの違いとは何?
まずは2つの違いについて確認してみます。
奨学金とは経済的な事情で進学が困難な学生に対して金銭の給付や貸与を行う制度です。
借主は学生本人であり、毎月定額が振り込まれます。
利息は在学中には発生せず返済開始は卒業後からとなります。
また奨学金は“給付型”と“貸与型”に分かれています。
給付型は返済の必要のない奨学金で、貸与型はこの中でも利子が付くタイプと付かないタイプに分かれています。
上限利率は年3%までと決められていますが実際利率を見てみると固定0.16%、見直し0.10%(2016年3月貸与終了者、日本学生支援機構)となっています。
教育ローンとは金融機関が個人に対して行う用途を教育関係費に限定したローンのことです。
借主は保護者であり、借りたい額が一括で振り込まれます。
利息は借りた翌日から発生し、返済は借りた翌月から行うことができます。
教育ローンにも2種類あり政府系の金融機関による国の教育ローンと民間金融機関が行う民間の教育ローンがあります。
国の教育ローンは2016年3月現在で2.05%です。
今まで出てきた違いを下の図1にまとめました
図1 |
奨学金 |
教育ローン |
借主 |
学生本人 |
保護者 |
借り方 |
毎月定額振り込み |
一括で振り込み |
利息 |
在学中は発生しない |
借りた翌日から |
返済開始 |
卒業後から |
借りた翌月から |
またもう一つ違いをあげるとすれば実際にお金を手にできる時期が違う点です。
例えば奨学金については日本で最も利用されている日本学生支援制度を例にとると、早くても4月中旬、遅ければ6月までずれ込んでしまいます。
一方で教育ローンについても最も金銭面で有利とされている国の教育ローンを例にとると、最短では申し込みから2週間後には融資をしてもらうことが可能です。
違いは分かったけど…どう使い分ければいいの?
ここまでで奨学金と教育ローンの違いを説明してきましたが実際にはどう区別して使っていけばいいのでしょうか?
状況別に紹介していこうと思います。
大学に無事合格!でも3月中に前期の学費が納入できない…。
大学に合格すると多くの大学では3月中には学費と入学金を納入しなければいけません。
この時は奨学金では早くとも借りられるのは入学後の4月になってしまうので選択肢は教育ローンを借りる以外にありません。
前期の学費は何とかなったけど後期の学費が…。
この場合は奨学金でも教育ローンでもどちらでも利用できます。
ただ気をつけたいのは教育ローンは後期が始まる前でも申し込むことはできますが、奨学金には後期が始まる前に申し込めるということはなく春のうちに申し込んでおかなければいけないという点です。
ただ前期の奨学金だけでは後期の学費を賄えないという事態もあるかと思います。
この時は入学の時だけに使える「入学時特別増額貸与奨学金」を用いることができます。
貸与額は10万円、20万円、30万円、40万円、50万円のいずれかです。
貸与対象者は第一種奨学金または第二種奨学金の申込者で、本人と配偶者の収入の合計が120万円以下でかつ国の教育ローンで融資してもらえなかった人が対象です。
次年度の学費が足りない…。
こちらの場合も奨学金と教育ローン、どちらでも利用できます。
ただ後期の学費が納入できないケースと同様で奨学金は春に申し込んでも6月に届くので学費の納入に間に合いません。
前年度の春に奨学金を申し込むことを忘れないようにしましょう。
いずれの場合も計画を立てることが大切!
上の例を見て気づいた方もいると思いますが、学費の納入の直前でお金がない、どうしようとなっても手の出しようがないこともあります。
そうなることを避けるためにも自分は学生生活のどの段階でどれだけのお金が必要で、借りたらいつから、どれだけの額を返さなければいけないのかもシミュレーションをしておきましょう。
現在の借入状況から、借り換えによって最大いくらお得になるかを計算してみましょう。
※計算結果はあくまで目安です。計算は現在の借入残高で各商品の最低金利を適用した場合の年間の利息額から算出しています。